◆ アンティーク家具の選び方(素材編)◆
現在、
日本で販売されているアンティーク家具の素材
のほとんどは【オーク材】、【マホガニー材】、【ウ
ォルナット材】の3種類です。それぞれに個性があり
ますので最初にどの素材でコーディネートしてゆくの
かを決めると統一感のある素敵な空間にすることでき
ます。
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オーク材の特徴・・
ロシアや北海道など寒冷地で育つため硬くて、耐久性
があり”トラフ”と呼ばれる美しい木目が魅力的です。
チロース繊維構造と呼ばれる水分を透過させない木材
ですので昔から船舶やウイスキー樽に使用されていま
す。
◆一般的にオーク材とはブナ科コナラ属の落葉広葉樹
を指すことが多く、北米産のホワイトオーク、スワ
ンプホワイトオーク、チェスナットオークなど多く
の品種があります。
◆大きい木目でざっくりした見た目です。素朴な質感
はカントリーテイストの家具とも相性が良く、現代
家具にもオーク材は多用されていますので合わせや
すい素材です。
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オーク材のアンティーク家具の特徴・・
エレガントと言うより質実剛健な少し男っぽい印象で
す。1500年代から1600年代にかけて「オークの時代」
と呼ばれ、まだ家具作成の技術も未熟だったため、シ
ンプルで装飾が少ない、実用性重視のデザインが多く
、現在、作られているリプロダクション(復刻製)に
も受け継がれています。
テーブルやチェア、デスクやカップボードなど様々な
カテゴリーのアイテムが揃えやすいため、コーディネ
ートしやすく、アンティーク家具を選ぶ上で一番のお
すすめ素材です。
◆1500年代から1660年代までのチューダー(Tudor)
様式やジャコビアン(Jacobean)様式などが現在、
市場で出てくるアンティーク家具に取り入れられて
いることが多いようです。
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ウォルナット材の特徴・・
その美しい木目は「化粧張り」と呼ばれる左右、上下
を対照的にした技法に頻繁に使われます。加工しやす
く、接着性にも優れていますので楽器の素材にも使用
されます。
◆家具や建材に使われるウォルナット材と言えば、クル
ミ科クルミ属落葉広葉樹の「ブラック ウォルナット」
を指します。現在ではその希少性からワシントン条約
で輸出入を規制される品種もあります。
◆大きく張り出した木のコブ部分をスライスした際に
出る美しく立体的な木目が特徴です。そのエレガン
トな木目はマホガニー家具とも合わせやすく、統一
感のあるコーディネートを楽しむことができます。
オーク材との家具との相性はよくありません。
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ウォルナット材のアンティーク家具の特徴・・
ウォルナット材の家具と言えば、接着性に優れている
ことから、美しい化粧張り技法が代表的です。
また、堅さと粘りがあり、乾燥後の温度や湿度による狂い
が少ないため、椅子などにも多用されています。
◆1670年から1735年までは「ウォルナットの時代」と
呼ばれました。レストレーション(Restoration)、
クイーンアン(Queen Ann)、アーリージョージアン
(Early Georgian)の頃です。
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マホガニー材の特徴・・
加工性に優れ、寸法安定性や耐久性も高いことから、高
級車のハンドルダッシュボードなどに使われてきました
。また、加工後の狂いが少ないのでアコースティック
ギターやエレキギター、ドラムなどの楽器にも多用され
ています。
◆マホガニーとはセンダン科マホガニー属に属する植物
に冠される総称です。キューバンやビックリーフ、パ
シフィックなど様々な品種があり、こちらもウォルナ
ット同様にワシントン条約で規制されるものもありま
す。
◆木目が細かく、木材の外側と中心部の色の差がはっき
りしているため、角度により様々な見え方がするトリ
ッキーな素材です。光の当たる角度によっては美しい
リボンのように見えることから「リボン杢」(Ribbo
n stripe grain)と呼ばれています。
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マホガニー材のアンティーク家具の特徴・・
18世紀にヨーロッパが厳冬になり、それまで家具に多用
されていたウォルナット材が少なくなり、それに替わる
材料としてマホガニーが使用されるようになりました。
そのためジョーアン(1700年代初期)からビクトリアン
(1800年代後期)までの家具にはマホガニー材のものが
多くみられます。
◆1735年から1770年までを「初期マホガニーの時代」
、1770年から1810年までを「後期マホガニーの時
代」と呼ばれています。
◆ビクトリア時代にも多用されており、様々なカテゴリ
ーのアイテムが揃っていますので、ウォルナット材の
家具と組み合わせてエレガントなテイストのコーディ
ネートを目指すならおすすめの素材です。
アンティーク家具は一点ものばかりですので、コーディ
ネートも難しくなりますが、素材を統一して、工夫しな
がら素敵な空間にしてゆきたいですね。
アンティーク家具の選び方(様式編)も是非参考にして
ください。
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